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4/27
 始まりは明日からだけど、前日は既に旅立っているのと同じで、毎度一緒にヒッチハイクをしている友人をいつもの集会に加え、五人で煙室。
 油そばを食べたかったのに、二時まで開いてるはずなのに、麺がなくなっていたみたいで断念する。未だ二時まで開いているところを見たことがない。朝から楽しみに仕事とか頑張ったり、わ!二時まで開いてるとこある!食べいこ!って集まったりしてる人を思うと悲しいし、ただ普通に自身も悲しい。
 それで商店街の方へ行って、お兄ちゃんと王将とちゃんぽんを割り振ってじゃんけん。
 ちゃんぽんになって行って食べて、散歩してコンビニ寄って帰って、やはり煙室。

 ギター弾いたり歌ったり話し込んだり煙草吸ったりコーヒー飲んだり、なんのかんのといつのまにか、いつも通りの四時頃。

4/28
 前日にライブがあった日と同じくらい眠れず十時に起きて、コンビニへ朝ごはんを買いに出かけ、さっと食べて出発。

 初めての三人でのヒッチハイクは「何だかんだゴールデンウィークだし行けるでしょ」と「流石に三人は無理じゃね」の狭間でスタートし、意外にも早くに乗せていただけることになった。
「三人はなかなかねえ」と仰るが、全くその通りだと思う。見た目のインパクトもあるし、やっぱり危機感が増すよねって感じ。チョコとせんべえをいただいた。

 それで三木に到着し、一服して、Air Luckyは何か食べていた。
 しばらくゆっくりしてから再開し、またもや早くに乗せていただける。
 秋田から下関へ向かう、遠距離恋愛中だと仰る寡黙な男性。
「山口で大きいサービスエリアってある?」「北九州なら?」と電話で話してらっしゃるのを聞いて、「本当に有難い、けど、早く彼女に会いに行ってくださーーーい、北九州の手前で大きめのがあれば行こうかな何て考えないでください」と思い、本当に、親切な方の親切さの度合いに驚くばかり。

 それから美東SAへ。末永く末永くお幸せに、と願いながらカツ丼を食べる。ヒッチ中、カツ丼とかラーメンとかカレーとか、あんまり味にブレのない適度にジャンクなものが食べたくなる。
 かなりゆったりしてから、まあとりあえずちょろっとしようと始めて、日が変わるまではしようと十分前に言って、それで言ってからすぐ山形から天草へ向けて車を走らせている方に拾っていただける。
 車内で見知らぬ人含め五人で煙草を吸う感覚がヘンテコで楽しい。

 北熊本SAに到着し、近くにテントを張って就寝。普段よりも眠れて笑える。

4/29
 十時に目覚め、熊本ラーメンを食べる。美味い。昨日から雨が降っている。怠い。
 歩いて三ツ石駅まで行き、藤崎宮前駅へ。調べておいた坪井温泉大福湯へ行き、体の芯から疲れを取る。休憩場の畳の上で絲山秋子さんの『海の仙人』を読み始め、どんどんどんどんページを繰る。ふとした描写に感心してしまう。充電させていただき、セブンアップを流し込み、いざ熊本の街へ。
 三ヶ月ぶりくらいでも懐かしさを覚えるのが不思議に思う。予想より少ない人の数に、傘をさす怠さの中すこし安心する。

 二月にも行った熊本現代美術館へ。大竹伸朗さんの展示を観る。毎度毎度「カッケー」とばかり思っている。作品の多さに説得性を感じる。何日もに分けて何度も観たい。
 二月以来、二度目の橙書店へ。アイスカフェオレ。やはり美味しい。本棚のあたりを何周もして席について煙草を吸いながら窓の外を眺める。雨すら心地好い。煙草を吸うたびに可愛いマーブルの爪が見えてうきうきする。

『海の仙人』の続きを読む。何度も涙が出そうになりつつ「俺は今、今までにない読書体験のうちにいるぞ!」と思い、ホットのカフェオレを頼み、読み続ける。啜り泣いてしまいそうなのを煙草で打ち消して、本の薄さを思って読み終わる前から寂しくなる。
 また店の中をうろうろして滝口悠生の『死んでいない者』を買うことにして、席に戻って飲み干して、お金を払い、本を受け取る。前もそうだった気がするのだけど、店主の方が本を手渡してくださるとき、カウンターからずれて体と体の間に何もない状態になっていることに、何故か感動する。そうしようとしてらっしゃるのか、意図があるのかないのか、何も分からないけれど、これが正しい、と思った。

 空腹のまま歩き回り山本屋食堂で天丼と馬肉を甘辛く煮たのを食べる。とにかく美味い。縁側らしきところで煙草を吸って、宿を探す。ネカフェ三店舗すべて満席で、自遊空間へ。
 三人とも荷物を置いてすぐに漫画のラックでゲラゲラ笑いながら長い間うろついていた。

4/30
 眠れず、八時頃にようやく眠る。十時半くらいに起きて用意を済ませ十一時半退店。ドン・キホーテでCHOICEのラムコーヒーを買って朝ごはんを探す。
 あんまり見たことない雰囲気のフレッシュネスバーガーに逃げ込み、クラシックチーズバーガー、コカコーラゼロ。喫煙席があり巨大な灰皿がありテンション上がり、とにかく食べて飲んでのんびり。
 ちょっと歩いてAND COFFEE BREWERSでアイスカフェラテ。旅先での美味しいコーヒーはあらゆるものを回復してくれる。

 迷いながら熊本県立美術館へ。いつもの友人が提案してくれたもので、浜田知明さんの展示。エッチング作品が中心でブロンズ像もずらり、数作、かなり迫るものがある。
 大竹伸朗さんの作品も浜田知明さんの作品も、どちらも何枚か、シンパシーを感じる、作品を作るときの状態に、その末に紙面に固定された図像に、一抹の繋がりを感じる。それは、何となくジョン・ルーリーの作品にも感じるし、だからといって当然、似たような作品を作っている、彼らと同じだけ優れた作品を作れているとは思えないけれど、それでもなお。
 そのまま併設のカフェへ移動してテラス席へ。ティラミスとコーヒー、二人はパフェとコーヒー。煙草を吸いながら雨を眺める。

 段山公園、散策、上熊本駅、北熊本駅、三ツ石駅。

 二月以来の梶尾温泉。三人で来るとは、それだけで笑えてしまう。浴室へ入る前に地元のおじさんに声をかけてもらい「熊本来てくれてありがとね」と仰っていた。しばらく各々準備をして、帰り際「これ、ジュースでも飲んでよ」と千円札をくださった。
 僕らは、柔らかな雰囲気のおじさんとほのぼの話ができただけでも、じんわり暖かい気持ちになっているけれど、もしかしたら普段からよく色んな人に「今日は暑かったですねー」とか「どこから来たの」とか声をかけているのかも知らず、普段出会う人とは少し違った人たちに向けて普段通りの動きから逸脱した何か、応援なり、気持ちのいい若者だななり、何なり、確実にプラスの感情というか、前向きな感情というか、何か抱いてらっしゃったのだろうと思い、それからそれを行動で表そうと決めてくださったこと、それにまず胸が締まり、それでやっぱりお金に行き着くということに、そんなことしていただかなくても本当に幸せな気分なんです!って地点から、寂しく思う。

 上がってからニュースで明仁天皇のスピーチを聴きながらコーヒーを飲み、時の流れを一挙に感じてぐらりとする。今のポール・マッカートニーがThe Beatles時代の曲を歌っている映像を見聞きしているときも似たような感覚がある。

 そこからなかなか歩いて北熊本SAへ。熊本ラーメンの大盛りの唐揚げセット。下りよりも上りのラーメンが美味しい。

Air Luckyは眠りに就き、いつもの友人と二人で歌ったり踊ったりしながら雨の当たらない場所で少しだけヒッチハイクを始める。
 何故か乗せていただけることになり、Air Luckyを起こしに走り、車内を楽しく過ごし、古賀SAへ。
 こう、なんか、言われたことに対して僕が何か言って、それに対して共感しつつ、また別の返しをしてくださる方との会話は、これぞ会話といったところで、喉痛過ぎ!と感じながらも、途切れることなく話しをした。

 ソファで座り寝しようとするが、流れる音楽が幻聴になりそうになる。博多通りもんとコーヒー。
 訳の分からない話しを四時間くらいして限界に達し眠る。ヒッチハイク中はピークに達してから眠るのがいいような気がしてきた。

5/1
 パン屋で朝食に食べるものを買って開始。

 失礼な奴に対して、そいつの土俵まで降りて行ってやってとことん失礼な対応をするのをやめたいけれど、目には目をが当然だろうよ!と普段考えている身としては、然るべき対応を取った気もしつつ、やっぱりそういうことをすると粘度の高い気持ち悪さがしばらく残る。敬意を払うべき人にしか払わなくていい、たかだか二十数年しか生きていないからといって、言って、敬われることを当然だという態度の無礼な奴には一切の敬意を見せず、「早く帰れよ」しか言うことはない。
 色んなことを知って、色んなことを覚えていて、それでそうなるんだったら、俺はそれから完全に離れて全く別の方法で生きていたいし、嫌な奴になるならその末でいいし、お前は俺と全く同じ人生を生きていないから人生の先輩ですらないし、やっぱ「早く帰れって」しか言うことはない。

Air  Luckyはテント泊、我々は町に下りる。
 マックでだらだら話し込んで煙草吸ってちょろっと食べたり飲んだりして、楽々園駅始発の電車で廿日市市役所前駅へ。
 ポプラ寄ったり撮り歩きしながら歩いていると、あれ俺たちこの辺り住んでた?って気がして楽しい。

 坂道を登り続け宮島SA到着。
 四時間後、栃木から長崎へ友人に会いに行ったらしい方の帰り道で拾っていただけた。
 それで帰宅。

Air  Luckyは帰宅、我々はいつもの店で祝勝会的晩ご飯。
 終電までもずいぶん時間があるのに、気力が回復したからって何故か結構な距離を歩いて帰り、駅前で解散。

 向こう数年ヒッチハイクしたくない気分だけど、今回もやはり素晴らしかったし、きっと今年中にまたどっか行ってるだろうなって感じ。