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 あることについて、何らかの答えを提示しているものもいいけれど、浅くもないが深過ぎもしないって程度にいくつもの考えの種がある作品も、同じくらい素晴らしい、数日かけて観終わった『Sense8』、そんなことを考えつつ。
 宗教、人種、愛、差別、能力、主義主張、正義、善悪、性、家族、多要素が、底が見えなくならないくらいに掘られていて、現実と同じく、作用し合って、あいまって、それぞれの、一人一人が考えるべき問題の複雑さがよくあらわれてる、最終二話はファンムービー的な感じもあるけれど、単純なエンタメ作品としても、「ちょっとちょっと、これってさ」と映像を止めて考えることを促すものとしても、バランスの良さ含めて、かなり楽しめた。
 映像や肉体の美しさを観ているだけで、首から下のどっかが解きほぐれていく。
 お!と思う曲も多くて、そういう、一つの作品、媒体から多くを得られるというのは、なかなかない体験なので、それも嬉しいし、それが今まで素通りしてきた事柄や、一瞬立ち止まったことはあるけどってくらいのものであることも、気持ちがいい。
 今まで経験してきたあらゆる作品の中で、最も羨ましい能力で、来世か再来世辺りで手に入れていて欲しいが、早々に自殺しそうな気もするので、結構先でもいいかもしれん。
 最終二話の急ぎ方と、カフィアスの俳優が変わったこと以外、一度通して観た今、別世界で『Breaking Bad』と並ぶほど、興奮冷めやらぬって感じ。

 ここ最近観るものどれも、泣き過ぎて頭のフチと芯が鈍く痛む。

 何かを過ぎて、元々自身の中にあった欲求に気付く、名を知る、正体を見定める、そういう体験、経験をどんどん増やしていきたい。憧れや羨ましさ、妬ましさ、ないものねだりで欲求を見誤って消化していくには、欲求も時間も体も、もったいない、とこの二週間くらいで思い出した、それで、自身のセックスやジェンダーに関して、少し気分が晴れた、というか、まあそうだろうよ、という気持ち。
 自身の使う言葉を再定義、再確認、再認識したい、無意識に使う言葉にぐるぐる巻きにされて息苦しいのは馬鹿らしいし、何度どうしたってそうなると分かっていても、志向しなくてはならない、自分自身の問題を言葉に逃げて考えない。

 その空間以外、人造のものを一切目にせず育ったとしても、完全なオリジナリティを手に入れるのは難しい気がするが、敬意や愛のない模倣は、どういった意味でも美しくなく、限り無く無価値で、それでいて気持ち悪くなるような暴力の気配がある。
 何がどうなれば正解なのか分からないけれど、各人の思うどこか何かへ向かい続ける以外、生きていられないんじゃないか、何があってもなくても落ち込むんだから、そうじゃないときくらい生きるために動いていたい。
 俺は具体性のない精神論を自分自身にべらべら捲し立てて、それでいて、きっちり結ばれているのかは分からないけれど、行動に移し続けること以外、何もできず、何も始められない。考える前に動けるように、動いていないときにあれこれ考えておく。ほらまた、それはじゃあ具体的にどうすればそうしたことになるんだ?
 ずいぶん前に書いた気がするが、真四角を思い、それだけを考えながら、丸を描き、観る人がそれを真四角だと感じられるもの、そういうことを好み、目指しているままなのかもしれない、し、それは本当に自分でも意味が分からない、いつまでも、ひとときに感じられる情報で物事を判断しがち、心地の好さだけが指針で、色、形、匂い、気配、音、雰囲気、味、手触り、そのものの背景や歴史を知りたいと思わない、一瞬、その一瞬でいい、だからテーマやら言いたい事やらモチーフやらに興味を持てないのかな、それよりも、まず一次の、文体、音像、語り口、声、それらに興味が向くのか、それは親しい人ほど目を見て話すのを躊躇ってしまうのと似たようなものか、情報を制限したい。

 こんなことを書いてもすぐに忘れるし、数日後には全く逆のことを考えているだろう、根本的な考えというのもいくつかあれど、まあそれはそれで仕方ない。

 

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