3334字

 帰って来てから半月、完全に無為にしようと過ごして、そんなふうになって、11月になって1日から何やらそろそろと書き出した。
 15枚、4日で24000字、5日目は前日に友人としこたま遊んだからか全く書けず、休みということにした、で今日は6日間で一番早く15枚書き終わった。
 目が覚めたときの、あー起き上がるのめんどくせー、以上の気怠さがあるときは休んだ方がいいのかもしれない、実際のところ毎日かなりの早寝早起きだから、起き上がるのが面倒って以上のことが起こるはずもなく、起こるってことは変に疲れているってことだろうし。
 それにしても、またこれは何なのか分からないものが出てくるし、小説になっているのかも分からない、ただ無限に出てくる瞬間や、少し前の行が蓋をして出てこない時間や、まとめて書いてから何これ?となる塊や、その他諸々の感触、そこで過ぎていった時間や通り抜けていった時間が楽しくて仕方がない。

 久々に京都へ行って、懐かしい街を歩き、その変化や変わらなさを歩いて過ぎて行って、行ったことのないカフェであれこれと話し、豆だけを買って帰ったことのある店に入ってあれこれと話し、甘いものを食べたり夕食や昼食を食べたりした。
 こっちにいる頃にたまに行ってた古本屋でめぼしい本を探したり、フォークでタルトを切り崩したり、喫煙所のなさに途方に暮れたり、かなり真剣な話をしたり、の間に無数の冗談や、それにもならない下らないことを言って笑い続けて、俺はもう一生、こんなふうに時間を過ごしていたい、死なない程度に働いて、時間が許す限り、それ自体は無意味かもしれない、あとから意味付けられるかもしれない、虚しさのない楽しい時間を過ごしていたい。

 適当に再生するようにしていたら、10月の後半から毎日一本か二本は映画を観るようになったし、DVDやらを借りることや映画館からどんどん離れていく、途中で再生できなくなったりするのも嫌だし、大きな画面で観る、大きな音を聴く、その意味が自分にとって掴みかねる映画を観に行く、その前後に疲れてしまう。
 が、やっぱり映画館っていう特殊な空間で映画を浴びたくあり、何かこれは!ってものがないかな、あまりにこれは!だと、うるさい奴がいたりすることでげんなりぐったりげっそりがっかりするんだけど、それでも。
 ハリーポッター全作とファンタスティック・ビースト二作を一気に観て脳と目がざくざくしていた。
『おまけの夜』を見て気になった『CURE』と『カリスマ』と『回路』も良かったし、その良さは、どうしてこんな映画/小説を最後まで観れた/読めたのだろうといったタイプで、それはシーンの作り方や撮り方/語り口や文体、といった惹かれているもので支えられているようで楽しかった。
『博士の彼女のセオリー』のエディ・レッドメインの演技の凄まじさ、そのものにしか見えない演技というのは何を演じていることになるんだろう、映像で観ていられた。
『ザ・コンサルタント』と『ゾディアック』もおもしろかった、ベン・アフレックとジェイク・ギレンホールとマーク・ラファロ好きには堪らない映画だった。
 何故か観た『チャイルドプレイ チャッキーの種』も見るともなしに見るくらいの鑑賞方法で楽しめるし、昔見たことがあるような気もしないでもなく懐かしいような、そうでもないような。
『GOOD TIME』はロバート・パティンソン好きなら観た方がいいかもってくらいだけど楽しめた、『コズモポリス』が観たくなる。
『ピカチュウ』は映像のみを楽しむ映画、ポケモンたちのかわいさに、あ!〇〇だー!と騒がしく観るのにいい、色々粗末でびっくりしているうちに終わっていった。

 本を買う。
 やたらめったら買っている気がする。
 角田光代『曾根崎心中』
 乙川優三郎『ロゴスの市』
 佐藤正午『月の満ち欠け』
 吉本隆明『フランシス子へ』
 村上春樹、柴田元幸『翻訳夜話』
 千葉雅也『ツイッター哲学 別のしかたで』
 舟越保武『舟越保武全随筆集 巨岩と花びら ほか』
 村上春樹『バースデイ・ストーリーズ』『恋しくて』『国境の南、太陽の西』
 衛慧『上海ベイビー』
 アリス・マンロー『小説のよう』
 イム・キョンソン『村上春樹のせいで』
 カート・ヴォネガット『国のない男』『不運な女』
 そんでもそれぞれ、いちいち別の理由があって、一口に本、読書といってもあまりにも層がある。
 以下、その理由、のようなもの。

 角田光代『曾根崎心中』、元々好き・最近日本文学全集のいとうせいこう訳を読んだため。
 乙川優三郎『ロゴスの市』、久しぶりの古本屋で何も買わずに出るのはなあ・表紙がクール!・誰?・結構状態いいな。
 佐藤正午『月の満ち欠け』、文庫版で読んで好きだったから・すぐに読み返すわけではない・装画が良い・次にいつか読み返すときの選択肢の一つとして・単行本って好き!・佐渡島を思い出す。
 吉本隆明『フランシス子へ』、少し前にPodcastを聴いていた・なんでもいいから本という状態の吉本隆明さんを知りたい・久しぶりの古本屋で何も買わずに出るのはなあの後押しもある。
 村上春樹、柴田元幸『翻訳夜話』、「永遠に頭上に」が入っているから・入っておらず何故買ったのか分からなくなる・昔観た映画『Smoke』の原作が入ってたんだった!・それを読みたくてほしいものリストに入れられていたのだ。
 千葉雅也『ツイッター哲学 別のしかたで』、『デッドライン』と『欲望会議 「超」ポリコレ宣言』からの流れ。
 舟越保武『舟越保武全随筆集 巨岩と花びら ほか』、舟越桂さんの作品や言葉が好きなため・時々意識しないうちに名前を見かけることがある。
 村上春樹『バースデイ・ストーリーズ』、「永遠に頭上に」を読みたくて。『恋しくて』、遠くに淀み過ぎたブックオフを出る記念。『国境の南、太陽の西』、最近文庫版で読み返してかなり好きだった・単行本って好き!・なにこのださめの表紙?・まあ買っとくか。
 衛慧『上海ベイビー』、村上春樹チルドレンらしいとwikiで見かけたため・発禁?そんなに?・まあ買ってみるか。
 アリス・マンロー『小説のよう』、どうして買ったのか分からない。
 イム・キョンソン『村上春樹のせいで』、立ち読み・温かみのある文章でささっと読めるものを探していたため。
 カート・ヴォネガット『国のない男』、かっこいい!・かなり歩いて辿り着いた期待していたよりもしょうもない古本市で何も持たずに帰るのは悲しい。『不運な女』、あ!書いたのに出てきた本!・読まなきゃ!・藤本和子さんの訳だったら大丈夫だろう・なかなかクールなつくり!・かなり歩いて辿りついた期待していたよりもしょうもない古本市で何も持たずに帰るのは悲しい。

 どこかへ短い期間で泊まりたい気もするが、もう近くには何もない、としか思えない、からか散歩ばかりしている。同じ道を同じ速度で。

 消え失せていた漫画を読む欲が『呪術廻戦』をまとめて買ったことと『チェンソーマン』の新刊、『可愛そうにね、元気くん』の新刊、『それでも歩は寄せてくる』の新刊、『ぱンすと。』の新刊、『当て屋の椿』の新刊・『はこにわ虫』、『金剛寺さんは面倒臭い』の最終巻・『水は海に向かって流れる』の最終巻により復活した。
 五条悟(さん?)は子どもの頃に知ったら危なかっただろうし、マキマ(さん?)と八千緑(さん?)は今ですらぎゃっとなるために今で良かったろうし、とにかくきゅんきゅんするのは楽しいし、もう岡田和人さんの描く漫画なら何でもいいのかもしれないし、それで?となりつつも絵でずっと見ていられるし、森美術館で見た映像作品と同じくうっすらずっと恐ろしい空間が隣にあることを意識するようになるし、終始非常にハッピーな気分になるし、何となく流れていく日々の湿度と同じようなものが紙に描かれ印刷されそれでもまだあることの不思議さに触れられるし、漫画はどんな種類のストレスもなく開けて、それでいて深いコンテクストがあっておもしろいね!って気分。

 

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